スティルハウスの書庫の書庫

はてなダイアリーで書いてた「スティルハウスの書庫」を移転してきました。

クルマのATって「紙」でシフトチェンジしてるって知ってました?

私は知りませんでした。一般的なATの湿式クラッチ(ギアからギアへ切り替えるAT内部のクラッチ)は紙製なんだそうですよ。まあもちろん化学処理とかしてあるらしいですが。。

この本は、元日産の技術者の方が書いた、ATの入門書。門外漢でもなんとか雰囲気はつかめるかな〜っていうわかりやすさと内容の濃さです。ベンツとかBMWとかホンダとか、いろんなクルマのATの図解が豊富で(これ全部許可取ってるのかな?)、かつ元現場の人ならではの説得力があります(雑誌ライターが書いた文章とは違うのだ)。シフトチェンジのショックをなだめすかしてなめらかさを出したり、トライバーの意をくんだ早すぎず遅すぎずのシフトアップとシフトダウン、そしてすかさずロックアップして燃費を稼ぐ。それらを実現するために、機械式腕時計を10倍複雑にしたようなAT各所のトルクや回転数、油圧の一瞬一瞬の変化が精密に数理モデル化されていて(本書はグラフが多い)、油と金属と電気信号のモザイクとして結晶しています。面白かった。